コンテンツのダウンロードが遅いと、神奈川の戸建てのお客様からインターネット速度に関するご相談をいただきました。
最初は電話会議+リモート(RDP)によるヒアリングと構成調査からのスタート。
主にご家族での動画視聴やオンラインゲーム、コンテンツダウンロードで支障があるとのことです。
できるだけ低予算での改善をご希望でした。
■ 速度調査の結果:下り20Mbps…これは遅い!
まずお客様側で速度を測定していただいたところ、下り20Mbps程度。現代のネット環境としては物足りない速度です。
契約内容を確認すると、OCN(フレッツ光 100Mbps契約)。
2000年代から契約更新されておらず、最大100Mbpsのプランがそのまま利用されている状態でした。
この時点で契約回線の制限・ルーター性能・宅内配線など、複数のボトルネックを疑っていました。
■ 提案①:契約を「1ギガ+光コラボ」に見直し
まずは回線を@スマート光(光コラボ/1Gbps)へ転用。
光電話も利用されていたため、月額料金は6700円 → 約5700円に抑えつつ、
契約そのものをギガ対応へアップグレードしました。
※ 宅内工事は約12,000円。速度改善と月額のバランスから、十分に妥当なコストと判断されました。
■ 提案②:ルーターを“実用十分なWi-Fi 6対応モデル”に交換
お客様の使用していたルーターは、WR8750N(100M対応の旧モデル)。
さすがに現行環境では厳しいため、Wi-Fi 6対応のWX3000HP(2020年発売)をご提案。
現在でも十分な性能があり、中古市場で3000円前後というコストメリットも高い選択肢です。
■ 提案③:LANケーブルを見直したら…劇的改善!
ところが――
回線もルーターも変えたのに、なぜか速度が伸びないという問題が残りました。
最終的にボトルネックとなっていたのは、ONUとルーター間の古いLANケーブルでした。
電話でヒアリングすると、カテゴリ表記がないケーブルや、劣化が見られるものが混在しており、
これらをすべてCat5e以上に統一。
不足分は市販のCat6ケーブル(数百円程度)をお客様自身で新規手配・交換されました。
この作業により、通信速度は一気に下り400Mbps超に改善しました。
■ やっぱり基本は“物理”から。構成全体の見直しが大事
今回のように、最終的なボトルネックはケーブルでしたが、
元の回線が100Mbps契約のままでは、いずれにせよ十分な速度は出なかったでしょう。
また、使用ルーターもかなり古かったので、複数の要因が重なっていたケースです。
「どれか1つを直せば解決」という単純な話ではなく、
通信環境全体を見直すことが重要であることをあらためて実感した事例でした。
■ まとめ
- 通信が遅い原因は、複数要因の重なりであることが多い
- 回線・ルーター・ケーブルなど、全体構成の見直しがカギ
- “まずは物理から”がトラブルシュートの基本
「最近ネットが遅いかも?」という時は、
契約の古さや、意外なところにあるケーブル1本が原因かもしれません。
通信環境の見直しや、構成チェックのご相談はいつでもお気軽にどうぞ!
■ 補足:本件は2023年の対応事例です
本記事でご紹介した内容は、2023年時点での対応事例です。
使用機器や料金体系は当時のものであり、現在とは異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
また、当初は「回線やルーターが原因ではないか」と考えて対応を進めましたが、
最終的なボトルネックはLANケーブルでした。
今振り返れば、まず物理層(ケーブルや接続)を疑うべきだったと反省しています。
これはある意味、失敗談としても共有したいポイントです。
インターネットの速度トラブルは、1つの要因だけでなく、複数の要素が絡むケースも少なくありません。
本件を通じて、改めて「構成全体を俯瞰する視点」と「基本を押さえること」の大切さを再認識した案件となりました。